日本における鉄筋コンクリートの建造物(型枠工事)の歴史は大変古く、さかのぼること1905年(明治38年)頃と言われています。
当時は鉄筋コンクリートの建造物は少なく、煉瓦作りや石造りが主流でした。
しかし1923年(大正12年)の関東大震災で鉄筋コンクリート造の優秀性が実証されることになりました。
この震災で煉瓦造りや石造りに比べて、鉄筋コンクリート造は耐火性や耐震性において優れている事が判明しました。そこで、耐震、耐火建築の工法は鉄骨鉄筋コンクリート、鉄筋コンクリートの建造物に変わりだし型枠工事も普及していきました。
本格的に型枠工事が普及し始めたのは、1950年(昭和25年)頃と言われています。それまで主流であった木造の公務員宿舎が鉄筋コンクリート造に立替、1955年(昭和30年)頃には鉄筋コンクリート造のアパートが都市郊外に大量に発注されるようになりました。
昭和30年後半~昭和40年代にかけては高度経済成長期に突入することで建築投資が加速し型枠工の職人が不足する事態にもおちいりました。
型枠工事としての専門職はまだ確立されておらず、型枠職人も不十分であるため、木造建築の大工が型枠の組立、解体工事を施工されていました。
昭和40年代後半になり型枠工事と木造工事の分業化が進み、型枠工事が専門工事業者へと変わり後に型枠大工と型枠解体にわかれ現在に至ります。